NHK杯 1回戦 第11局 井上慶太 九段 対 糸谷哲郎 八段

NHK杯 1回戦 第11局 井上慶太 九段 対 糸谷哲郎 八段
NHK杯です。
井上慶太九段 対 糸谷哲郎八段の対局です。
解説は船江恒平六段。
井上九段は船江六段の師匠、糸谷八段は奨励会の同期です。
解説「井上九段は普段からとても穏やかで居飛車党で筋の良い将棋を指す。糸谷八段は奨励会の同期。昔からユニークな性格で人気者。居飛車党で力強い将棋。どちらがペースを握るかが注目」
過去6戦対局があり、糸谷八段が6戦とも勝ち越しているとのこと。
先手 井上九段、後手 糸谷八段で対局開始。
横歩取りから先手は飛車先を取って、1歩得。後手は6二銀から7三銀と1歩損するも手得が主張。
解説「7三銀の形は昔なら怒られる指し方だが、糸谷八段が得意としている戦形。」
先手は雁木、右玉っぽい形、後手は銀冠。先手は2歩得、後手はゆっくりとした差し回しです。
角交換になり互いに打ち込みが気になるところ。ここで先手井上九段が4四歩と攻めの拠点を作ることに成功。
解説「形勢はひいき目なしに先手を持ちたい」
ただここから強いのが後手の糸谷八段。
後手3八角から馬を作りますが、先手の飛車と交換(馬⇔飛車)に。
後手竜を作り、先手陣を攻めます。持ち駒が少なくやや心もとないですが・・・
数手進み気が付けば、先手入玉模様に。
後手は自陣にも手を入れながら、先手陣で働いてた竜、その他の駒を自陣に引いて、入玉模様の先手にプレッシャーを与えます。
ここらへんが糸谷八段がめちゃめちゃ上手くて、いやらしいところ。
気が付けば糸谷八段の得意な形です。だいたいこの形、独特な雰囲気になったときは糸谷八段の勝ちが多い。
先手、井上九段入玉を目指しますが、上部から駒を打ち付けられて突破できません。
気が付けば玉付近もどんどん狭くなり・・・
先手玉は詰めろの状態(厳密には数手頑張れるが・・・)、後手玉はまだ固い ということで先手投了。
188手 糸谷八段の勝ち。
糸谷八段強し・・・
先手井上九段もところどころで良い手を指していて、船江八段も感心されていましたが、
終盤に入って糸谷八段が自分のペース、まさに沼に引きづり込んだ感じ。
長手数の熱戦でした。