【佐藤名人敗北】コンピューター将棋に勝つことはできるのか
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【佐藤名人敗北】コンピューター将棋に勝つことはできるのか
※多分に個人的な所見が入っている記事ですので悪しからず・・・
将棋のプロ棋士、佐藤天彦(あまひこ)名人(29)とコンピューターソフト「PONANZA(ポナンザ)」の2番勝負、第2期電王戦最終第2局が20日、兵庫県姫路市の姫路城で行われ、先手の佐藤名人が94手で敗れた。最も権威のある名人がソフトに連敗。人間VSソフトの電王戦は今大会で最後となったが、日本が誇る伝統文化の戦いでも、コンピューターの実力が人間を上回る形となった。
将棋界の最も権威のある名人が最強将棋ソフトに連敗した。「負けました」。佐藤名人が目をつぶり、頭を下げた。盤を挟んだ前にいたのは2本の腕を持つロボット。ソフト「PONANZA」の指示通りに駒を動かす人工知能(AI)だった。
引用:日刊スポーツ「佐藤名人がソフトに連敗「私にない将棋観や構想」よりhttp://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1827003.html
プロ棋士対コンピューターで対局が行わられる電王戦。
将棋界最高峰の名人位を持つ佐藤天彦名人がコンピューターのponanzaに敗北しました。
電王戦(でんおうせん)とは、ドワンゴ主催のプロ棋士対コンピューター将棋(ソフトフェア)との棋戦で、
2010年より現在まで計6回開催されています。
電王戦におけるプロ棋士の戦績はリベンジ戦など小規模なものを除外すると、プロ棋士5勝15敗1分と
コンピューターに大きく負け越しています。
<電王戦プロ棋士戦績>
第一回将棋電王戦
清水市代女流棋士 対 あから2010 負け
米長邦雄 永世棋聖 対 ボンクラーズ 負け
第二回将棋電王戦
第一局 阿部光瑠 四段 対 習甦 勝ち
第二局 佐藤慎一 四段 対 ponanza 負け
第三局 船江恒平 五段 対 ツツカナ 負け
第四局 塚田泰明 九段 対 Puella α 引き分け
第五局 三浦弘行 八段 対 GPS将棋 負け
第三回将棋電王戦
第一局 菅井竜也 五段 対 習甦 負け
第二局 佐藤紳哉 六段 対 やねうら王 負け
第三局 豊島将之 七段 対 YSS 勝ち
第四局 森下卓 九段 対 ツツカナ 負け
第五局 屋敷伸之 九段 対 ponanza 負け
将棋電王戦FINAL
第一局 斎藤慎太郎 五段対 Apery 勝ち
第二局 永瀬拓矢 六段 対 Selene 勝ち
第三局 稲葉陽 七段 対 やねうら王 負け
第四局 村山慈明 七段 対 ponanza 負け
第五局 阿久津主税八段 対 AWAKE 勝ち
第一期電王戦
第一局 山崎隆之 叡王 対 ponanza負け
第二局 山崎隆之 叡王 対 ponanza負け
第二期電王戦
第一局 佐藤天彦 叡王 対 ponanza負け
第二局 佐藤天彦 叡王 対 ponanza負け
出場棋士も今回の佐藤名人をはじめ、屋敷九段、山崎八段などA級棋士を含むトッププロ中のプロが出場してこの戦績です。
コンピューター将棋の強さとは?
佐藤名人を破ったponanzaは電王戦に出場するコンピューターを決めるトーナメント「将棋電王トーナメント」や
「世界コンピュータ将棋選手権」に出場し、優秀な成績を収めています。(開発者 山本一成氏)
「コンピューターが人間(プロ棋士)に近づくのはまだ先の未来」と言われていましたが、
もはやコンピューターの方が強いと言わざるおえません。
弱点と言われてきた序盤も克服し、数時間の対局でも疲弊せず、終盤は正確な読みで相手玉を追い詰める。
コンピューター将棋の強さ、弱点とはなんでしょうか。
コンピューター将棋は1秒間に数百万以上の手を読むと言われています。(コンピューターにより幅があり)
持ち時間が迫る中、中盤・終盤になれば勝ち目はありません。
序盤が弱点と言われていましたが、ponanzaのように今までの定跡データを使用しないソフトも出てきて、弱点も克服されてきています。
※従来は定跡データをコンピューターにプログラミングし、そのデータをもとに序盤を指していました。
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コンピューターと戦うことに意味があるのか
このように人間(プロ棋士)がコンピューターに勝つこと自体非常に難しいかと思います。
あくまで所見になりますが、プロ棋士とコンピューターが戦うことに意味はあるのでしょうか。
第一期電脳戦で山崎八段がponanzaに敗れた時に、
「山崎八段は将棋のようなゲームで負けたようなもの」
というプロ棋士の意見もありましたが、正しくその通りだと思います。
人間と自動車が競争しても勝てるはずがないですし、比べる意味もありません。
自動車(コンピューター)の便利さを活かして共存すべきです。
プロ棋士がいなくなってコンピュータ将棋だけになればどうなるか
プロ将棋の世界がファン、スポンサーで成り立っている以上は、人間が主役でないと人気が続きません。
例えば、F1でも自分が応援したいと思えるドライバーが人気の自動車に乗って、運転しているからこそ、
ファンが根付き、スポンサーがつくのだと思います。
自動で走る車のレースを見て、誰が面白いでしょうか。
コンピューター同士の将棋を見て、誰が面白いでしょうか。
ファンは獲得できますでしょうか。
スポンサーは獲得できますでしょうか。
今後の将棋界(プロ棋士)はコンピューター将棋と共存し、プロ棋士一人ひとりがファン、スポンサーを大切にして
棋戦を戦ってほしいと思う次第です。
プロ棋士がコンピュータに立ち向かうという構図はこれ以上厳しいかと思うのですが・・・
プロである以上、ファンから見たいと思われなければ、繁栄はありませんが、
プロ棋士対コンピュータの対戦は、
「お腹いっぱい(負けるのを見たくない)」
というのが率直な感想です。
【情熱大陸 将棋プログラマー ponanza開発者 山本 一也氏視聴】
将棋プログラマー側のストーリー、苦労が改めて分かった。
山本氏の将棋、コンピュータへの愛情が伝わってきた。
山本氏「AI(人工知能)は怖いが、人間の役に立つかもしれない。その可能性に懸ける」
全ての分野で、人間がコンピュータに勝つのは不可能な時代が来るのでしょうが、
やはり人間が負けるのは複雑な気分・・・
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